2021.06.28
伊藤佑クリエイトセンター大阪本町シェアオフィスでは、起業希望者にビジネス作成プランや経営相談などの幅広い支援を行っております。
スタートアップ企業のインキュベーションの一環として、カレーショップの開業を目指す起業希望者とともに、起業準備第一弾として2021年2月にお弁当販売プロジェクトを発足いたしました。
「カレーショップ開業プロジェクト Vol.01」から2カ月が経ち、今回はその後の状況について、カレーショップの田中さんにお話を伺いました。
緊急事態宣言が延長された影響で、午後出社やリモートが増え、よく来てくれていた方が来なくなったということもあります。ただ、日によっては一気にお客様が来られる日もあり、お弁当の数を予測するのがとても難しいです。
カレーショップを始めた2月頃は、お店があると気づいてもらえないことや、寒くて売れないということもありました。最近は段々と暖かくなってきて、500円の丼ぶり弁当も一緒に出しているなか、780円のキーマカレーの方を目当てで来てくれる方が増え、とても嬉しいです。
リピーターの方がたくさん来ていただくようになって、「昨日は完売してたから今日は早く来たよ」という声や、いつも買いに来られる方と同じ会社の方が「同僚が美味しそうに食べてたから買いに来た」と言ってくださったりとても嬉しいです。
仕込みの量が増えて作るのが大変ですが、自分の中のルーティンや手順がだんだんわかってきたので何とかこなせています。個数が増えてくるとお弁当のメニューによって細かい作業が多くて大変なこともありますが、「食べた時にちゃんと満足していただけるものを作りたい!」という思いで一生懸命作っています。
日替わりの鶏肉丼(500円)を用意しています。よく買いに来ていただいている方から、「もう少しレパートリーが欲しい」とか「野菜を増やしてほしい」といった声もあるので、照り焼きにしたり、塩だれにしたりと味付けを変えながらメニュー開発を進めています。
まだまだ勉強中ですが、リピーターも付いて販売のスタイルも少しずつ決まってきたので、顧客へのアプローチ強化のために新しいことをしたいと考えています。
スパイシーなものが売れる夏に向けては、辛味ソースに段階を付けて「5辛」や「10辛」メニューを用意し、選択肢の幅を広げて楽しんでもらうというのも良いなと思い、現在検討中です。
また、初めて買いに来るお客様が安心して買えるように、お弁当をひとつだけ中身が見えるような状態で見本にしています。中が見える容器に変更するかはもう少し先に考えます。
最終的には、温かいカレーが提供できていい香りもして、お客様の満足度も上がるようなキッチンカーでの販売を目標にして、販売個数を今よりも増やしていきたいです。
以前はスペースの関係で看板をあまり前に出せなかったのですが、店頭の前にスペースが出来て、通る方が看板を見やすくなるようちょっと前に出させてもらっています。
以前と変わりなくカレーにこだわりと自信を持って販売されており、田中さんの温かい人柄や販路拡大への取り組み方によって日々リピーターを獲得されています。
その活気のある姿にスタッフも刺激を受けながら、田中さんの今後の目標の実現に向けて、引き続きサポートいたします。
今回のプロジェクトの看板やチラシの制作を手掛けていただいた、ICCシェアオフィスに入居いただき起業準備中の、デザイン制作会社「エボデボデザイン」の吉森さんにお話を伺いました。
芸術の大学を卒業後、個人事業や印刷会社でのアルバイト、未経験でのWEB制作会社へ就職をしながらWEB関係の勉強していきました。サイトのデザインをする中でUI(ユーザーインターフェース)に興味を持ってゲーム会社にも就職しました。
また、工場機器のメーカーでは、デザイン部署の企画部に入り、周りが全員グラフィックデザイナーだったこともあり、初めてのWEB担当になりました。そこではコーポレートサイトをリニューアルすることになり、約1年半のプロジェクトで200点を超える商品のあるサイトを新しくしていきました。社内に聞く人がいなかったので、週末に外部に勉強会に行ったりしながらサイトを作って行きました。WEBサイトのデザインが良かったから買いましたと言ってくださる方もいて、お客様の声を直に聞けるのがインハウスデザイナーの良さだと感じます。その後、もう一度WEB制作会社を経て、現在の起業準備に至っています。
もともと独立しようとは思っていてタイミングをうかがっていたのですが、2~3年以内のズレは何も考えていなかったので正直いつでも良かったんですね。
なので、前職である程度のスキルを身に付けた段階で独立しました。現在は前職にお付き合いのあった方にもお仕事の相談もいただいているので、本当にいい仲間を持ったなと思います。
僕がカレー好きということもあって、以前からチラシ制作のお話は少し伺っていたのですが、ある時にカレー商品の試食会に呼んでいただいて、その場で急遽撮影することになったんです。
ほんとに急だったのでライティングも用意していなくて自然光で撮るしかなかったんですが(笑)その写真撮影からチラシ制作のお話が進んでいきました。
写真を撮りながらチラシ制作のことも考えていたので、余白を多くして文字を置ける場所を作りました。
本来、こういうチラシを作るときは事前に必要なカットや色味を考えながらライティングを決めて撮影をするのですが、急だったのでこういうチラシにしようとその場でコンセプトやデザインを考えながら撮影していました。
真上からの撮影も、本当は真上用の三脚で固定しながら撮るんですけど、それも用意していなかったので手で工夫しながら撮りましたが、割とうまくいきました(笑)
デザインに関しては、商品の値段のことも考えながら安価なイメージにならないよう、トーンは大人っぽく落として軽くなりすぎない程度に、手書きのようにしたりスパイスのイラストを入れたりして、手作り感は残しつつ安っぽくならないよう気を付けました。
当時コワーキングスペースを転々としていて、もともとシェアオフィスに入居するつもりはなかったのですが、本町付近のコワーキングスペースをWEBサイトで検索していたらICCのホームページにたどりつきました。その後、ドロップインで利用した際にプランについて話を聞いていくうちに、ここのシェアオフィスに入居したいと思い、その日に即決しました。
自分たちだけのスペースがあると社内のプライバシーも守られますし、作業にも集中できるとすごく実感しています。
施設自体も昨年オープンしたばかりなので、とてもキレイで精神的にも良かったです。個人的にはトイレがきれいなのがすごく嬉しかったですね。
あとはコワーキングスペースも利用できるので、打ち合わせにも使えることや、ひらけた中庭がある場所に気分転換で行けるというのもバランスがすごくいいです。
つながりはすごくありましたね。
インキュベーションマネージャーに紹介していただいた方からお仕事を頂いてこれから始まるプロジェクトもありますし、ご入居の方はそれぞれ分野が違いますので、分からないことなどもすぐに相談できるのが良かったです。
WEB制作のセミナーはしてみたいと思っていて、作り方というよりは改善例などのお話をして、困っている企業のWEB担当の方とつながりたいですね。
こういった場をお借りしているので、他の入居の方のお仕事についても話を聞いてみたいです。
僕自身も仕事をしながらカメラマンを探したりとか、コピーライターを探したり、こういうのが出来ないかなと思うことはよくあるので、入居の方にいらっしゃるのであればマッチングもしたいですね。
WEBサイト制作がメインなので、その案件のお仕事は一番多くいただいています。現在は電鉄系不動産会社さんのWEBサイト制作なども手掛けています。
あとはお客様の事業で商品がWEB関係のアプリなどでしたら、アドバイスや制作もしています。
グラフィックやサインやロゴなど、一貫した制作というものもどんどんやっていきたいですね。
今後一番やりたい仕事は、ブランドを最初から最後まで、ロゴの立案からブランディングをして、名刺・フライヤー・WEBサイトも制作して、オンラインショップを作って販売をするといった、トータルでお客様と一緒に小規模な店舗で一つの製品やブランドを立ち上げていくというような経験もしてみたいと思っています。
あと、今年法人化は必ずしようと思っていますが、今すごく仕事に追われていて休みがないので休みを作れるような環境にしたいです。
普段はゲーム、アニメ、漫画、料理が趣味だとお話されていた吉森さん。
ICCでもチラシ制作などをお願いすることがありますが、毎回素敵な制作をしていただきスタッフ一同とても満足しております。
ICCでは今後もイベントやビジネスマッチングなど、入居の方にとって充実したコミュニティを作っていきます。
吉森 修
EvoDevoDesign事務所 代表 / ArtDirector / Web Designer
1989年生まれ。大阪府箕面市出身。神戸芸術工科大学デザイン学部卒。
ゲームのUIデザインナー、機器メーカーのインハウスデザイナー、Web制作会社のデザイナー・アートディレクターなどを経て独立。